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株式会社 大塚楽器製作所

株式会社 大塚楽器製作所 柔らかで優しい音色のオカリナで、国内シェア4割<br>入門用から演奏会用まで、用途や音域別に種類も豊富なオカリナを作る。難しかった量産に成功した秘訣は、職人技の数値化

株式会社 大塚楽器製作所

柔らかで優しい音色のオカリナで、国内シェア4割
入門用から演奏会用まで、用途や音域別に種類も豊富なオカリナを作る。難しかった量産に成功した秘訣は、職人技の数値化

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輝く技術 光る企業

株式会社 大塚楽器製作所

柔らかで優しい音色のオカリナで、国内シェア4割 入門用から演奏会用まで、用途や音域別に種類も豊富なオカリナを作る。難しかった量産に成功した秘訣は、職人技の数値化

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  • 社名:株式会社 大塚楽器製作所
  • 設立年月:1949年(創業:1919年)
  • 資本金:1,200万円
  • 従業員数:22名
  • 代表者:代表取締役社長 大塚 太郎
  • 初任給:160,000円
  • 主な勤務地:本社
  • 休日:土日祝 年末年始 夏季休暇
  • 本社所在地:東京都北区田端新町1-5-7
  • 電話番号:03-3893-8422
  • 公式HP:http://www.ocarina.co.jp/
  • ・粘土から作るオカリナで国内シェア4割。音域別に種類も豊富
  • ・石膏型を200~300個も作って完成させた自社製オカリナ
  • ・職人技に頼らず数値化することで、オカリナの量産に成功
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業種

オカリナの製造

事業紹介

創業1919年、大正琴の絃製造に始まり、以来、時代の変化、さまざまな外部要因の変化に対応し、幾度か改革を断行、たくましく営業を続けてきました。

しかし、変わらないものがあります。それは、「音づくりへの実直な取組み」です。楽器メーカーとして、自らの技を磨き、魂を注ぐが如く製品と向き合うこと、その不器用さが、長期に渡る営業を支えてきたと考えます。

これからも、皆様にご愛顧される、信頼される楽器を作り続けていく所存です。

【事業内容】 粘土から作るオカリナで国内シェア4割。音域別に種類も豊富

柔らかで優しいオカリナの音色を思い出してほしい。あれだけ美しい音を出す楽器を粘土から形作り、1点1点が正しい音を出せるように手作業で仕上げているのが大塚楽器製作所だ。 同社製のオカリナは、国内シェアで4割ほど。「NIGHT」というブランド名の下、入門用、経験者用、演奏会用、さらに子供と気軽に楽しめるプラスチック製のものと幅広いシリーズをそろえている。 入門用であっても演奏会用であっても、オカリナの音域はおおよそ1オクターブ半ほどで、とても狭い。演奏者が出したいソプラノ、アルト、テナーといった音域に合わせてオカリナを作り分け、全て合わせると30種類程度の製品がある。

03.jpg 「NIGHT」ブランドでさまざまなオカリナを製作

【プロジェクト】 石膏型を200~300個も作って完成させた自社製オカリナ

オカリナは比較的安価に買える楽器だが、粘土から作るだけに量産するのは大変なこと。「オカリナを買いたい」と思っても、半年~1年も待たなければ買えない時期があった。 もともとは大正琴の弦のメーカーとして事業を始め、オカリナは仕入れするだけの同社だったが、そんな背景から2006年に自社でオカリナを製造しようと考えた。 オカリナは本体や穴の形状・大きさが音を決めるが、どんな形状・大きさならどんな音が出るかは手探りで体得していくしかない。作っては壊し、作っては壊しを繰り返し、石膏型だけでも200~300個以上も作ることになった。その結果、満足できる製品が完成したのだが、開発に1年ほども費やすことになった。

04.jpg オカリナの原型を生み出す石膏型

【独自戦略】 職人技に頼らず数値化することで、オカリナの量産に成功

同社が一番大事にしているのは、妥当な価格で、できるだけ品質のよいオカリナを提供することだ。 オカリナの品質は、大部分が設計段階で決まってくる。手探りで体得したノウハウを生かし、音程の正しい音を鳴らせて、自分たちで「いいな」と思える音色になる設計を追求した。 そして、いざ製造するとなると、粘土から人の手で1点ずつ作り上げることになる。職人の技術は必要だが、それに頼り切っていると量産は難しい。 そこで、いい音色のオカリナを作れたときの形状や加工条件をできるだけ数値化。要所要所で検査し、正しい音色になるように3度にわたって調律するなど、オカリナをほぼ同じ品質で量産できるようにさまざまな工夫をしている。

05.jpg 音色を確認しながらの微調整を何度も繰り返す

社長メッセージ
自社でコンサートを開催した結果、社員とお客様が触れ合う貴重な場に!

代表取締役社長
大塚 太郎さん
――オカリナはどのような工程を経て、完成するのでしょうか。 まず、粘土を型にはめて2つの型に粘土を当てて貼り合わせ、オカリナのおおよその形を作って乾燥させます。十分乾燥したら調律して、音階が正しく出るようにします。その後、釜で焼いて焼成します。熱を加えると粘土が変化するので、十分に冷ましてから、もう一度調律します。 そうしたら次に塗装です。ここでも塗装する分だけ、生地の厚みがコンマ何mm程度ですが厚くなりますので、さらにもう一度検査・調律します。 例えば、粘土の袋を開けたとき、職人は手触りで粘土の柔らかさや硬さ、どう加工すればいいかと把握できます。そのような職人が手触りで分かることでも、粘土の含水率をしっかり計測するようにすれば、誰にでも判断できるようになります。当社ではオカリナを製造する各工程で、3度にわたって含水率などを検査しています。そうすることで、職人が作るのと同じ含水率で仕上げられるように工夫しているのです。 このように、感覚で把握していた情報を、できるだけ客観的に数字で判断できるようにしています。それでも、その日その日の天候や粘土の質によって微妙な違いがあるので、そうした微妙な違いを調整できるように、一定の経験も必要になります。 どうしても経験が必要になるところはあるにしても、できるだけそれを不要にしていく。そうすることで、当社のオカリナは同業他社の製品よりも正しい音程が出せて、いい音色のオカリナを安定的に量産できるようになりました。 ただ、検査や数値化はもちろん必要ですが、それと同じくらい、オカリナを作る社員1人1人のやる気も大切です。全員が「いいオカリナを作ろう」と同じ気持ちを持って、作業に当たることが大事だと考えます。 当社は、年に数回、オカリナのコンサートを開いております。お客様はオカリナ愛好者が多数を占め、皆様と社員が触れ合う機会となっています。工場で製作に当たっている際にはなかなかできないことですが、オカリナを使用してくれているお客様と直接触れ合うことで、われわれに対する期待などを、社員1人1人が実感できるようになりました。そのことが、会社に戻り、オカリナを製作するとき、大きなモチべーションとなっていると思います。 今、国内でオカリナを楽しまれているのは、中高年です。退職して趣味を探してオカリナを始めた方々が多いでしょう。今後はもっと幅広い世代の方に、そしてもっと多彩な音楽を演奏するために、オカリナを使ってもらえるように工夫していきたいと思っています。 また、韓国や台湾、中国などでも少しずつオカリナの人気が広まりつつあります。これからは、世界に向けてオカリナを供給できるように、海外展開を考えていく必要もあると感じています。 就職活動を控えて、「自分は何をやりたいのか」と真剣に深く考えていることと思います。そう考えることは本当に大切なことだと思うので、自分のやりたいことを見つけて、やりたいことのできる会社に応募してみてください。 ただ、やりたいことのできる会社に入社できたとしても、「夢見ていた仕事とは違う」と感じてしまう場面も多いかもしれません。そこで、「違うから辞めます」ではなくて、「今の仕事の中で、どんなところが自分のやりたかったことと同じなのか。やりたかったことをもっとできるようにするには、どんな姿勢で今の仕事に向き合っていけばいいのか」と自問自答してみてください。そうして入社してからも努力を続けることで、初めて本当にやりたい仕事を勝ち取れるようになるのではないでしょうか。

06.jpg 代表取締役社長 大塚 太郎さん

先輩メッセージ
塗装は日々修行。自分なりに工夫して一歩ずつ成長していきたい

製作部
田端さん
――この会社に興味を持ったのは、なぜですか。 専門学校でエレキギターを作っていたので、その技術を生かせる会社で働きたいと考えていました。 当社は今ではオカリナが主力製品ですが、ギターの弦なども製造しています。求人情報誌でそのことを知り、そこに惹かれて応募しました。 入社して8年ほど、ずっと塗装の仕上げや色付けを担当しています。毎日同じ工程をやっていても、何かしら違う部分があります。例えば、気温が高いときはウレタン塗料を薄めて使用する、逆に低いときは濃いめのウレタン塗料を使う、そういう調整でうまく塗装できるようになります。自分の経験や感覚に頼りながら、できるだけ同じ品質で仕上げていくところに難しさを感じています。 他にも、淡い色を塗るときには少しのほこりも混ざらないようにする、塗りむらが出ないように均一に塗るなど、気を付けるところはたくさんあります。とても気を使う仕事ですが、それでもやり続けることで、少しずつきれいに塗れたり、短時間で仕上げられたりするようになってきました。自分でも仕上がりに納得できると感じられ、年々そのように感じられる頻度が増えてきています。そうした確かな成長を感じられると、働いていてうれしくなりますね。 当社がオカリナの自社製造を始めたばかりのころから私1人で塗装を担当していますので、お手本を示してくれる先輩はいませんでした。すべて自分なりに工夫してやってきたのです。 毎日、少しずつやり方を変えてみて、社長が納得してくれる製品がどれだけできるか、お客様の返品率はどれくらいかと気を配り、よりよい塗装方法を模索してきました。 塗装は日々修行だと思いますし、「これが正解」というやり方は多分ありません。本当に自分が一歩ずつ成長していくしかないと思っています。 社員みんなの顔を覚えられる規模ですから、部署の垣根を越えてコミュニケーションを取りやすいところでしょうか。 また、営業職ではなくても、会社に届くアンケートを見せてもらえます。お客様から「ありがとう」などのお礼の言葉が書いてあるのを見掛けると、「自分の技術が誰かに認められた」と実感できていいですね。 おかげさまで、たくさん注文が入っているので、注文に対応しながら、今まで以上にいいオカリナを作っていくことです。 いつも、「どうすれば、もっと効率よく仕事できるか」と考えながら作業をしています。最近になって、目先の工程のことだけでなく、次の工程の段取りまで考えながら作業できるようになり、より効率よく塗装できるようにもなってきました。 もっと突き詰めて効率を上げていくことで、もっと多くのオカリナを生産できるようにしていきたいです。 今になって、「学校での授業をしっかり受けておけばよかった」と思います。 確かに、学校で学んだことが直接仕事で生かせることは多くはないでしょう。けれど、社長や先輩と話をしていて「こんなことも知らなかったのか」と恥ずかしく思うことがたびたびありました。学校でしっかり勉強しておけば恥ずかしい思いをしないで済んだと思いますので、皆さんは学校での勉強を疎かにしないでください。

07.jpg 製作部 田端さん
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先輩メッセージ
楽器が好きで入社を決意。丁寧に教えてくれる先輩に囲まれて、毎日がとても充実

製作部
古堀さん
――貴社で働きたいと志望するようになった理由を聞かせてください。 もともと楽器が好きで、学生時代は吹奏楽部に所属し、ホルンやハープを演奏していました。「楽器製作の仕事に携わりたい」と思って求人情報を探していたら、この会社を見つけたのです。 オカリナについて、特に詳しかったわけではありません。「特別な機械を使って作っているのだろう」と思っていたのですが、工場を見学させていただいたら、実際はフォークやスプーンといった身近な道具を使って作っていることを知り、驚きました。 入社してまだ3カ月ですが、徐々にオカリナの魅力を感じるようになってきています。特に音色が好きで、素朴だけど芯が強く、きれいな音だなと惹かれています。 貼り合わせといって、オカリナを作る最初の工程で働いています。粘土と粘土を貼り合わせる作業で、作業自体には慣れてきましたが、まだ速く貼り合わせることができません。先輩が16個作っている間に、私は8~10個作るのがやっとです。やはり先輩はすごいと尊敬しています。 最近では、調律の仕事にもチャレンジさせてもらえるようになりました。ただ、どれくらい削れば正しい音程を出せるようになるのか、試行錯誤しながら覚えているところです。「削ると音程が上がる」と分かっていても、どれだけ削ればちょうどいい音程で鳴るようになるのか、まだ見当が付きません。いい音色になるように調整するのも難しく、理想の音を思い浮かべることはできても、それを実現する技術が足らず、悩むことも多いです。 貼り合わせは先輩に、調律は社長に教えていただいています。 初めて貼り合わせ作業をしたころは、貼り合わせた後、試しに鳴らす音がなかなか出なくて苦戦していました。そうして悩んでいたら、ある先輩が「こうやればいいんだよ」と手本を見せてくださって、丁寧にやり方を指導してくださいました。 その先輩は、貼り合わせが速くて、仕上がりもきれいで、貼り合わせ後に試しに出す音もいい音色になります。尊敬できる先輩で、憧れています。 先輩方がとても丁寧に仕事を教えてくれるところなど、温かな雰囲気が魅力だと思います。 それも、ただ優しいだけではなく、至らないところは的確に助言してくれて、自分の未熟なところに気付くことができます。言われないと気付かないこともまだ多いですが、少しずつ成長できていると実感できることも増えてきました。 早く一人前になることです。 貼り合わせも調律も、社員の皆さんに認められるような仕事を1人でできるようになりたいです。 「これが好き」「こういう仕事に就きたい」という気持ちを大切にすることだと思います。 私自身、「楽器が好き」「楽器を作りたい」という思いだけで、未知のオカリナの世界に飛び込みました。そして今は、とても充実した毎日を過ごせています。 注)掲載している情報は、取材日(2014年6月)時点のものです。

09.jpg 製作部 古堀さん
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