<中小企業しごと魅力発信プロジェクト>

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TOKYO SHIGOTO WAGON REPORTトーキョー・シゴト・ワゴン 実施レポート

第27回 若手社員が活躍する「環境」と「風土」が優れた企業特集

1社目 エス・エー・エス株式会社/10名参加

 システムソリューションの企業として金融・流通・クレジット業界向けのシステム構築等を手掛けるエス・エー・エス。自社製品の開発にも積極的で、管理業務を効率化するアプリなども順調な伸びを示しているといいます。さらに、福利厚生面の充実ぶりには目を見張るものがあり、東京ライフ・ワーク・バランス認定企業としても知られています。そんな同社を訪問し、社長の思いや社員の方の働き方を伺いました。

実りあるツアーになった記念に笑顔で 実りあるツアーになった記念に笑顔で

ツアー内容

会社見学と説明会
 今回のツアーは会社見学から始まりました。最初に通されたのは社長室でした。重厚感のある木目のデスクに、革のチェアという社長室らしいしつらえに、学生たちは恐縮気味に足を踏み入れましたが、迎え入れた青山秀一代表はフランクに声を掛けてくださいました。

 「どうですか? ここは社長室なんですが、社員のいるオフィスに繋がる扉は開けっ放しにしているんです。私は寂しがりだから」と、ユーモアを交えて同社の社員との距離の近さを紹介し、「誰か社長椅子に座ってみたい人はいますか?」と呼び掛けました。これはめったにないチャンスと学生たちは次々と手を挙げ、結局、全員が順番に座らせていただくことになりました。今まで味わったことのない座り心地にどの顔も満足げ。これをきっかけに社長を目指す人が現れるかもしれません。

 続いて社員の方々が仕事をしている執務室の見学です。ついたてや仕切りはなく、隅々まで見通せるようになっているその光景は、同社の風通しの良さを表すかのようでした。壁には、新人が思い思いの目標を書いた「ドリームマップ」が貼られています。こうした遊び心にも、仕事を楽しむ同社の社風が感じられました。

 会社見学の後は、青山代表による会社紹介です。金融・流通・クレジット業界向けのシステムインテグレーション事業と、管理業務系アプリの開発・販売事業のニ本柱で事業が展開されていることが語られました。平均年齢は36歳で、入社3、4年の若手社員が中心となってプロジェクトを進めることもあるなど、若手の活躍ぶりも紹介されました。そして、いよいよ話は核心となる青山代表の経営理念に向かいます。

 「理念に掲げる『常に質の高いサービスを提供し、会社のスキルアップを通じて、エス・エー・エス全メンバーの生活水準の向上を図ると共に社会の笑顔に貢献していく~すべては笑顔のために~』の前半はいわば『ワーク』、後半は『ライフ』のことをいっています。つまり、ライフ・ワーク・バランスという言葉ができる以前から、私たちはこのことを意識してきたのです。社員の家族も含め、当社に関わる全ての人が笑顔になれるような会社を作っています」

 年に1度の社員旅行には、家族も参加できることになっており、社員から大好評だといいます。この催しのおかげで家族ぐるみの繋がりができ、青山代表は社員の子どもの名前まで全部覚えていると胸を張ります。これには学生たちも「ええーっ」と驚きの声を上げていました。

 しかし、驚くのはまだ早かったのです。社員がいきいきと働ける環境を整備するため、バースデーディナーやクラブ活動を支援し、さらにテレワークを導入して多様な働き方ができるようにするなど、文字通り目を見張るほどに福利厚生が充実しているのです。実際にどのような働き方をしているのかは、引き続き行われた社員の方との座談会で明らかになっていきました。

社員の方との座談会
 新たに2名の社員が登場し、青山代表を加えた3名が参加者の質問に答えました。働き方や業務内容など、説明会の内容が盛りだくさんだっただけに、多岐にわたる質問が参加者から上がりました。

 最初は「入社の決め手は何でしたか」、「取っておいたほうが良い資格はありますか」、「一からITを勉強する人でも働けますか」と、就職活動に関係する話題です。「ITパスポートは取っておいたほうが良いね」、「研修制度が充実しているので文系出身者でも無理なくスキルを身に付けられます」との答えに、参加者は一生懸命メモを取っていました。

 質問はさらに具体的な仕事内容に及びます。なかでも、IT企業に多い顧客先に常駐する働き方に興味を持った参加者は多く、「普段はこの会社にいないんですか」、「1人で顧客企業に常駐するんですか」と細かなところまで質問が上がりました。「少人数で行くこともありますが、20人くらいのチームで行くこともあります」と自分の体験談や同社の様子を交えた回答には、参加者たちもIT企業で働くイメージを膨らませていました。

 また、「テレワークはどうやって勤務時間を管理しているんですか」と働き方に関する質問も多く投げ掛けられました。これには、子育て中でテレワークを実施している女性社員から「自社製品の勤怠管理システムで管理されています。テレワークの日、仕事を始めると同時に自宅のパソコンで専用アプリを立ち上げて、勤務状況をデータに残しています。このアプリを立ち上げている間はランダムに画面キャプチャのデータが残るので、上司が目の前にいなくても、仕事をちゃんとしていることが証明できるんですよ」と、具体的な説明がありました。「子どもがいても安心して働ける環境です」と育児と両立して働けるお話も聞くことができました。

 大いに盛り上がった座談会もタイムアップ。最後に青山代表から、これから就職活動を始める学生たちにエールが送られました。

 「当社はメンバーの成長を会社の成長だと考え、メンバーとともに成長してきました。世の中には色々な考えの企業がありますから、たくさん見て回り、自分に合った会社を見付け、そしていきいきと働いてください。」

 ただ業務をこなすだけでなく、社員一人ひとりがやりがいを持っていきいきと働く同社の姿に、参加者たちも「働く」ということが楽しみになったのではないでしょうか。

  • 会社の理念について語る青山秀一代表会社の理念について語る青山秀一代表
  • 社長椅子にも座らせてもらいました社長椅子にも座らせてもらいました

学生の声

 参加した学生からは「就職をする上で大切なライフ・ワーク・バランスについて改めて考え直すきっかけをいただけた」、「ライフ・ワーク・バランスという観点での制度をたくさん知れ、このような会社に就きたいと思った」と就職活動のヒントになったという意見や、「社員を大切にしている姿勢がひしひしと伝わってきました」、「働くことをポジティブに捉えられる会社だったと思います」と会社や働くことの魅力を発見できたという意見が聞かれました。

  • 座談会も盛り上がりました座談会も盛り上がりました
  • 聞く話全てに発見がありました聞く話全てに発見がありました

2社目 株式会社メトロール/10名参加

 工場の自動化に欠かせない高精度工業用センサのメーカーとして、世界68か国と直取引、工作機械用「ツールセッタ」では世界トップシェアを誇るメトロール。単純な仕事がロボットやAIに取って代わられるこれからの時代、人間は専門性を高めていくことが必要だという企業指針にのっとり、常に新しいことにチャレンジする社風を築いてきたといいます。そんな同社の躍進の秘密に迫るとともに、若手社員の活躍ぶりを見学しました。

たくさんの発見をくれた20代の若手社員の皆さんと たくさんの発見をくれた20代の若手社員の皆さんと

ツアー内容

会社紹介と工場見学
 立川市の本社オフィスに案内された学生たち。まず会社の紹介動画を見せていただきました。そこでは若手社員の仕事紹介とともに、「失敗することは問題なし。チャレンジすることが重要」、「モノマネをしない」、「精神的自立心が高い」といった社風が紹介されました。いずれも若手社員一人ひとりの自主性と創造性を高める環境であることが十分に伝わる内容で、参加者たちは動画に見入っていました。

 動画の最後では経理業務をクラウド化するソフトを導入したことが語られましたが、会社紹介の中にこの話題を盛り込んだ理由を松橋卓司社長が説明してくださいました。

 「文系の方が多いようですが、文系は事務をやるものだと思っていませんか? デジタル化が進むこれからの時代、事務をする人はどんどんAIに代わられていきます。事実、当社には経理専任の社員は一人もいません。これからの時代を生きていく皆さんは、独自性や専門性を身に付け、人間にしかできないことを見付けなければならないのです」

 どんな企業でも20年後にはどうなっているか分からないといわれる昨今、自分に独自性や専門性があれば、会社が倒産、あるいは仕事がなくなったとしても生きていけるはず。就職活動では、そうした力を身に付けられる会社かどうかという視点がとても重要だと松橋社長。ニッチな分野でトップを目指さなければならない中小企業には発明が不可欠。だからこそ、社員一人ひとりが独自性と専門性を持てるようになるのだと続けます。

 「発明はノルマや命令では出てきません。『これがあったら世の中がもっと良くなるんじゃないか』というアイデアは、本人の自主性や自発性から生まれるものなのです。人のやる気は目に見えない会社の財産ですから、それを育てることに力を入れています」

 組織のあり方も従来的な縦割りではなく、年齢・役職に関係なく社員一人ひとりが部門間を飛び越えてプロジェクトに関わります。さらにそれぞれの役割もプロジェクトごとに変わるため、ときには若手が上司を動かして仕事を進めることもあるのだといいます。組織のありかたを説明する松橋社長の言葉を聞き漏らすまいと引き締まった面持ちで聞き入っていました。

 続いて、本社オフィスから徒歩約5分のところにある2棟の工場を見学。工場には工作機械と呼ばれる金属を削る機械や、ロボットで自動化された生産ラインなどがずらりと並んでいます。案内役の社員の方が、「メトロールの製品はメイドインジャパン、全てこの立川の工場で生産されています。」「生産性の高い工場は人が動いていないものなんです。移動時間は生産に関わらない無駄な時間なので、少ないほうが効率が良いんですよ」と、工場を見学する上でのポイントを説明してくださいました。参加者は見慣れない光景に圧倒されながらも、終始うなずいて聞いていました。

 その後、オフィスに戻り、社員との座談会に臨みました。

活躍中の若手社員に直接話を聞く
 座談会には松橋社長に加え、海外営業と販売促進で活躍中の女性若手社員2名が参加してくださり、参加者たちからはここぞとばかりに積極的な質問が投げ掛けられました。松橋社長には「発明ができない人はどうすれば良いんでしょうか」「ニッチな製品だけではなく、幅広く製品を取り扱うことも重要ではないでしょうか」など、先ほどの会社紹介で詳しく聞けなかった質問が殺到。これに対して、「発明といっても大発明じゃなくていい。毎日の生活をちょっと良くする工夫なら、アンテナを高く張っていれば湧いてくるもの」、「幅広い製品に手を出すのは大手の発想。当社は限られたリソースを必要なところに投入して、付加価値の高いものを作らなければならない」と具体的で説得力のある回答をしていただき、参加者も納得顔でした。

 また、海外で活躍する社員には、「どんな仕事をしているんですか」、「語学力はどの程度、必要ですか」といった仕事の質問が相次ぎました。「タイやベトナム・マレーシアなど、アセアン各国に年に10回以上赴き、現地の展示会の準備や営業活動をしています」、「商談で使うのは英語ですが、アセアンの場合、英語が母国語ではないので、語学力に自信がなくても大丈夫。むしろ、語学力よりも『何を伝えたいか』のほうが大切ですね」と、仕事の熱を感じさせる刺激たっぷりな話が聞けました。

 その他、履歴書の書き方や仕事のやりがいなど、多彩な話で座談会は盛り上がり、最後に松橋社長からメッセージが送られました。

 「皆さんは100歳まで生きる世代と言われています。そうなると80歳まで働くかもしれない。1日8時間を80歳まで続けるんですから、この時間が幸せでなければ人生も幸せにはなりません。会社をブランドで選ぶのではなく、自分がその会社でどういう専門性を身に付けられるのかをじっくり考え、ありのままの自分を受け入れてくれる企業を選んでください」と、これからの時代に必要とされる会社選びのポイントをご教授いただき、今回のツアーは幕を閉じました。

  • 就職活動に役立つ考え方を教えてくださった松橋卓司社長就職活動に役立つ考え方を教えてくださった松橋卓司社長
  • 工場には見慣れない産業機械がたくさん工場には見慣れない産業機械がたくさん

学生の声

 参加した学生からは「大学時代に何をするべきなのかを考えさせられるきっかけになりました」、「仕事を充実させる社風がかっこ良いと思いました。他人のものまねをしないという言葉は、今後の人生でも生かせそうだと感じました」と学生生活や就職活動のヒントになったという意見や、「社員一人ひとりのやる気に焦点を当て、挑戦を促すモチベーションが高い企業だと感じました。会社の業務内容より、会社で自分が何をできるかが大切なのだと思いました」「社員一人ひとりの方が新しいアイデアを考えていらっしゃるところが特徴的だと思い、若者の発想などにとても重点を置いているのが印象に残りました」と社風に感銘を受けたという意見が聞かれました。

  • 座談会では率直な疑問が相次ぎました座談会では率直な疑問が相次ぎました
  • 豊富な体験談から「若手活躍」を感じ取れました豊富な体験談から「若手活躍」を感じ取れました

今年(平成29年度)実施企業一覧

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